統一教会

いつも行くプールのあるビルの下で元総理の安倍晋三氏が山上某によって射殺された。精神鑑定すべきは山上ではなく、統一教会から利益を得ていた国会議員だ。正気であれば誰でもそう思うはずだ。

タコツボ

昔、木下豊房とともに亀山郁夫のスタヴローギン論や『カラマーゾフの兄弟』の翻訳についてロシア文学会あてに亀山との公開討論を申し込んだ。しばらくすると、討論会をしましょうという返事がロシア文学会から来たのだが、直前になって、木下豊房から討論会…

ウクライナ文学者・小松勝助

いつだったか、ずいぶん昔、東大(いや、筑波大学だったか?)に留学しているウクライナ人の女性から小松勝助のことを教えてくれというメールが来た。なんでも小松勝助のことをウクライナの百科事典に載せたいから調べているということだった。わたしは小松…

文は人なり

或るとき、と言っても、わたしがずいぶん若い頃だが、トルストイやドストエフスキーの翻訳をしていた工藤精一郎氏から「これを読め」と言って、一冊のソ連の文学雑誌(『文学の諸問題』だったか?)を渡された。そこにはショーロホフが盗作作家だということ…

盗作作家二人

あの世に行ってしまったカミさん、その母親が富山の人で、神戸の地震のあと、彼女の住んでいたアパートが壊れたので引き取って一緒に住んでいた。その人が自分の知っていた堀田善衛のことをいろいろ言うので、わたしは「ああ、良い人なんだな」などと思って…

歴史は繰り返す、あるいは、保守反動は繰り返す

今のロシアを見ていて痛感するのは、ソ連がロシアになって少しは変わるのだろうと期待していたわたしが愚かだったということだ。「ドストエフスキーとニーチェ」で書いたように、ロシアのようなルネサンスを経ていない民族はいつまでも保守反動のままだ。じ…

リトマス試験紙

「ありのままに生きる――引きこもりとドストエフスキー」(『現代思想』12月号、2021)という短い文章で書いたように、自尊心の病とベルクソンのいう持続は同時に分かる。 というか、自分の自尊心の病に気づかない傲慢な人はベルクソンのいう持続も分からない…

越知保夫について

わたしの愛読していた小説家の西村賢太が急死し、その追悼文をロック歌手兼小説家の町田康が書いていたのを書店で立ち読みし(「西村賢太さんの文章」、『群像』四月号所収、2022、pp.147-149)心を打たれたので買い求めた。これから町田康の小説を読みたい…

「ドストエフスキーを読む」講座について

「ドストエフスキーを読む」講座について言い忘れていたことがありますので、追記します。 昨年度も『罪と罰』(新潮文庫、工藤精一郎訳)について述べましたが、今年も『罪と罰』(ただし、岩波文庫、江川卓訳)について述べます。こんなことをするのは、わ…

鈴木大介と武満徹

最近、本棚の整理をしていると、『武満徹全集』(小学館)がセロファン紙に包まれた新品の状態で出てきたのでひどく驚いた。 五年ほど亡き妻の看病に明け暮れているうちに買ったことさえ忘れていたということだろう。たしか、全三巻だったはずだが、なぜか第…

「ドストエフスキーとベルクソン」講座の開講について

ドストエフスキーの講座とは別に、奈良でベルクソンの講座を少人数で開催します。 詳しくは次をご覧下さい。 ---------------- 「ドストエフスキーとベルクソン」開講のご案内 最近出版した『ドストエフスキーのエレベーター――自尊心の病について』という拙…

「ドストエフスキーを読む」講座の開講について

拝啓 風薫るさわやかな季節となりましたが、皆様方におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。 さて、このたび新しく「ドストエフスキーを読む」講座を開講する次第となりましたので、ご案内申し上げます。 今年度はドストエフスキーの『罪と罰…

プーチンは狂人ではない

プーチンのウクライナ侵攻が始まったので、邦訳された、以前読んだことのあるアンナ・ポリトコフスカヤの本(『プーチニズム――報道されないロシアの現実』と『ロシアン・ダイアリー――暗殺された女性記者の取材手帳』)を再読した。アンナ・ポリトコフスカヤ…

ウクライナ

プーチンがウクライナに攻めこんだので、連日、メディアではそのニュースがあふれている。わたしは学生の頃、ウクライナ文学の専門家だった小松先生からいかにロシアがウクライナにひどいことをしてきたのかということを聞かされてきたので、ウクライナの人…

さらに『ドストエフスキーのエレベーター――自尊心の病について』の誤植と誤記を修正します

誤植と誤記を修正します。

野いちご

ベルイマンの映画『野いちご』で、主人公の老教授イサクは或る詩を口ずさみはじめるが、途中で詩の文句を忘れる。すると、彼を囲んでいた行きずりの若者たちがその詩を続ける。その詩は或る人のブログ(https://yojiseki.exblog.jp/11966306/)によれば、こ…

土壌主義

拙著『ドストエフスキーのエレベーター――自尊心の病について』で述べたように、ドストエフスキーがアポロン・グリゴーリエフと共に唱えた土壌主義とは、社会の最底辺に生きる人々とともに生きることです。つまり、昇りのエレベーターから降り、自らそのよう…

『ドストエフスキーのエレベーター――自尊心の病について』の誤植と誤記を修正しました

誤植と誤記を修正しました。

誤植と誤記

拙著『ドストエフスキーのエレベーター』には次の誤植と誤記がありました。 p.10、3行目 【誤】これがレヴィナスの考えだ。→【正】と言う。これがレヴィナスの考えだ。 p.32、6行目 【誤】「なぜ、そう呼のか」 → 【正】「なぜ、そう呼ぶのか」 p.43の注 後…

「ドストエフスキーのエレベーター」

拙著「ドストエフスキーのエレベーター」が出ました。お読み頂ければ有り難いです。

天分

高校生の頃、アドリブ教則本みたいなものを何冊か買いこんで一年ほどトランペットでアドリブの練習をしたけど、ダメだった。クリフォード・ブラウンの偉大さがよく分かった。理屈でアドリブはできない。文章も同じだ。文章読本みたいなものをいくら読んでも…

武田泰淳と古井由吉

武田が古井に「(演歌を)自分で歌いますか」と訊くと、古井が「歌います」と答える。すると、武田が「うん、それは話しやすい」という(『生きることの地獄と極楽――武田泰淳対話集)』(勁草書房、1977、p.96)。ドストエフスキーだって、日本人だったら演…

いやな人には会わない

いやな人には会わない。いやな人に会うと、必ずグロテスクなことになる。たとえば、わたしはその人に会っている不快さに耐えることができなくなり、アルコールを浴びるように飲み、こちらの精神が崩壊して乱暴狼藉を働くとか、罵声をその人に浴びせるとか・…

書かなければならない本当に大切なこと

微熱があるので何をする気にもならず、しかし、洗濯と掃除だけはしなければならないので、朝のうちにやり終え、あとはうつらうつらしながら、昨日受講生の方からいただいた『共助』(基督教共助会出版部)の「森有正追悼号」(1977年2月号)などの複写を読ん…

赤木ファイルの公開

アイヒマンはどこにもいる。あなたもわたしもアイヒマンである。ひとりのアイヒマンを首縊りの木に吊しても、二人のアイヒマンをこの世界から追放しても、三人のアイヒマンに罵声を浴びせても、あなたやわたしがアイヒマンでなくなるわけではない。もうすぐ…

ギター歴

「なぜギターを弾き始めたのですか」と、昔、よく訊かれた。あまりにも頻繁に尋ねられるのでうんざりして、そういうときは決まったように、「そりゃ、女にもてたかったからですよ」と答えることにしていた。そう言うと、相手は、じっとわたしの眼を見て、う…

川端香男里と伊藤淑子

近々、ドストエフスキー入門書みたいなものを出すので、贈呈したい人の住所を調べていたら、亡くなっている人が多いので驚いた。浦島太郎になったような気分だ。自分では気がつかなかったが、妻の看病に明け暮れするようになって以来、人交わりをする余裕を…

神さんに祈りなはれ

京大天皇事件で有名になった中岡哲郎先生が、子供のとき、友達から、天皇もあれをしやはるんやろか、と友達に聞かれた。姉の本などを覗いて、こっそり女体の構造などを調べていた、科学的精神にあふれていた中岡少年は、「当たり前や」と答えた。すると、そ…

(続)誰が菅総理の声を消したのか

本日おこなわれている衆議院の原子力問題調査特別委員会で、東電の現社長は、菅元総理が誰が菅総理の声を消したのかを東電に再調査するよう求めたのに、それを拒否した。

公開講座のお知らせ

ドストエフスキーを読む - イベント|大阪府立大学 (osakafu-u.ac.jp)