2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

叫びとささやき

ツタヤでベルイマンの『叫びとささやき』を借りてきて、初めて見た。わたしが学生の頃、評判になった映画だった。学生の頃に見ても、何も分からなかっただろうと思う。自尊心の病に憑かれた人間に、この映画は分からない。彼らに愛は分からない。彼らは自分…

『ドーダの人、小林秀雄――わからなさの理由を求めて』

本屋で鹿島茂の『ドーダの人、小林秀雄――わからなさの理由を求めて』(朝日新聞出版、2016)を拾い読みし、次々と変なことが書いてあるので、びっくりし、思わず買ってしまった。 その変なことのなかでもいちばん変なのは、鹿島が、小林の「美しい『花』があ…

怪物

久しぶりに映画館に行って映画を見た。「怪物」という映画でした。面白かった。偶然なのだろうが、いつもドストエフスキー講座でわたしが述べている「物語の暴力」と「シニフィエはどこにもない」ということをテーマにした映画だった。