ウクライナ文学者・小松勝助

いつだったか、ずいぶん昔、東大(いや、筑波大学だったか?)に留学しているウクライナ人の女性から小松勝助のことを教えてくれというメールが来た。なんでも小松勝助のことをウクライナの百科事典に載せたいから調べているということだった。わたしは小松勝助のことで下らないことならたくさん知っているが、詳しい履歴などは知らない、詳しいことは神戸外大に聞いてくれと答え、メールのやりとりはそれきりになった。同じ小松ゼミの東大の教師になった浦雅春氏に尋ねても同じだろう。彼も小松勝助のことなど何も知らない、と答えるはずだ。それくらい自分のことは何も語らない人だった。いつも自分の存在を恥じているように見えた。わたしはそういうところが好きで小松ゼミに入った。しかし、大半の人は小松勝助を奇人だと思っただろう。