2021-01-01から1年間の記事一覧
拙著『ドストエフスキーのエレベーター――自尊心の病について』で述べたように、ドストエフスキーがアポロン・グリゴーリエフと共に唱えた土壌主義とは、社会の最底辺に生きる人々とともに生きることです。つまり、昇りのエレベーターから降り、自らそのよう…
誤植と誤記を修正しました。
拙著『ドストエフスキーのエレベーター』には次の誤植と誤記がありました。 p.10、3行目 【誤】これがレヴィナスの考えだ。→【正】と言う。これがレヴィナスの考えだ。 p.32、6行目 【誤】「なぜ、そう呼のか」 → 【正】「なぜ、そう呼ぶのか」 p.43の注 後…
拙著「ドストエフスキーのエレベーター」が出ました。お読み頂ければ有り難いです。
高校生の頃、アドリブ教則本みたいなものを何冊か買いこんで一年ほどトランペットでアドリブの練習をしたけど、ダメだった。クリフォード・ブラウンの偉大さがよく分かった。理屈でアドリブはできない。文章も同じだ。文章読本みたいなものをいくら読んでも…
武田が古井に「(演歌を)自分で歌いますか」と訊くと、古井が「歌います」と答える。すると、武田が「うん、それは話しやすい」という(『生きることの地獄と極楽――武田泰淳対話集)』(勁草書房、1977、p.96)。ドストエフスキーだって、日本人だったら演…
いやな人には会わない。いやな人に会うと、必ずグロテスクなことになる。たとえば、わたしはその人に会っている不快さに耐えることができなくなり、アルコールを浴びるように飲み、こちらの精神が崩壊して乱暴狼藉を働くとか、罵声をその人に浴びせるとか・…
微熱があるので何をする気にもならず、しかし、洗濯と掃除だけはしなければならないので、朝のうちにやり終え、あとはうつらうつらしながら、昨日受講生の方からいただいた『共助』(基督教共助会出版部)の「森有正追悼号」(1977年2月号)などの複写を読ん…
アイヒマンはどこにもいる。あなたもわたしもアイヒマンである。ひとりのアイヒマンを首縊りの木に吊しても、二人のアイヒマンをこの世界から追放しても、三人のアイヒマンに罵声を浴びせても、あなたやわたしがアイヒマンでなくなるわけではない。もうすぐ…
「なぜギターを弾き始めたのですか」と、昔、よく訊かれた。あまりにも頻繁に尋ねられるのでうんざりして、そういうときは決まったように、「そりゃ、女にもてたかったからですよ」と答えることにしていた。そう言うと、相手は、じっとわたしの眼を見て、う…
近々、ドストエフスキー入門書みたいなものを出すので、贈呈したい人の住所を調べていたら、亡くなっている人が多いので驚いた。浦島太郎になったような気分だ。自分では気がつかなかったが、妻の看病に明け暮れするようになって以来、人交わりをする余裕を…
京大天皇事件で有名になった中岡哲郎先生が、子供のとき、友達から、天皇もあれをしやはるんやろか、と友達に聞かれた。姉の本などを覗いて、こっそり女体の構造などを調べていた、科学的精神にあふれていた中岡少年は、「当たり前や」と答えた。すると、そ…
本日おこなわれている衆議院の原子力問題調査特別委員会で、東電の現社長は、菅元総理が誰が菅総理の声を消したのかを東電に再調査するよう求めたのに、それを拒否した。
ドストエフスキーを読む - イベント|大阪府立大学 (osakafu-u.ac.jp)
わたしはドストエフスキーを分かりたいと思い、神戸の外国語大学に入ったのだが、いくらたってもドストエフスキーが分からなかった。しかし、三十過ぎに離人症になったあと、分かるようになった。この「十字路で」という文章はその三十過ぎの頃を書いた文章…
この六編からなる「何を読むか」シリーズで書いた文章を読み返してみて、自分の書いたものでありながら、こんなものを書いていたのか、と、驚いた。とくに、この『男のポケット』を扱った文章はよかった。と、自分で言うのもなんだが、よかった。書評はこう…
2年前、近畿財務局職員の赤木俊夫氏(54)が自ら命を絶った。彼が残したファイルを財務省は公開しようとしない。 赤木氏は財務省、いや、日本の至るところにいる「アイヒマン」の一人になることを拒否し、自死を選んだのである。 世界中に「アイヒマン」…
菅直人は「イラ菅」と呼ばれていたが、彼が苛立っていたのは、わたしのいう「アイヒマン的なるもの」のためだった。彼のその苛立ちは正しかった。その正しさが分からない、あるいは分かりたくない人だけが、彼を「イラ菅」と呼んだ。
同じ時空間に生きていないとその時空間にのみ通用する共通感覚やイソップ言語など分かりようがない。このことは少し考えれば誰にも分かるはずなのに、亀山郁夫には分からなかった。このため、彼は誤ったロシア革命論やショスタコーヴィチ論、さらにドストエ…
亀山郁夫の『磔のロシア──スターリンと芸術家たち』は共通感覚というものを無視した妄想に満ちた悪書だが、これが2002年度の大佛次郎賞(朝日新聞)をもらったのには驚いたものである。そのことについては、すでに「はてなダイアリー」で述べた。しかし…
五年前、フェイスブックに書いた文章を以下に採録する。野間の『真空地帯』は今も良い小説だと思っている。 -------------------- 二年前の昨日、大西巨人が亡くなった。1916年8月生まれで、享年97歳。長生きしたものだ。大西は九州大学中退だが、大…
ようやく菅直人の率直な声が聞けた。読売・産経の嘘つき(と、体言止めで書きたくなる)。 菅:・・・というのも、東電は事故が起きてから最初の24時間のテレビ会議の記録を、いまだに公表していないんです。かなりの混乱があり、とても、おもてには出せない…
このブログのコメント欄を復活させた。その経緯について簡単に述べておこう。 この「はてなブログ」は以前「はてなダイアリー」で書いていたものをそのまま引き継いだものだ。なぜ引き継いだのかといえば、あるとき、「はてなダイアリー」は「はてなブログ」…
最近、五十年ほどかけて書いたことになるドストエフスキー入門書というかドストエフスキー再入門書みたいなものが出来上がって、ほっとしている。そして、わたしに残された人生は短いはずなので、ドストエフスキーの作品の中から好きなものを順に訳しておこ…
もうひとつのブログを最近、まったく書いていない。 書かなくなったのは、妻の看病と家事で忙しくなって散歩ができなくなり、この散歩の記録が主なブログで書くことがなくなったからだろう。散歩をしよう。
わたしは常々、左翼、中道、右翼という分け方に疑問を抱いていて、それをやめて別の言い方で人間を分けたほうがいいと思ってきた。なぜなら、左翼でも右翼でもアホな人はアホだし、そうでない人はそうではない。ここでアホとわたしが言うのは、同調圧力に弱…