歴史は繰り返す、あるいは、保守反動は繰り返す

 今のロシアを見ていて痛感するのは、ソ連がロシアになって少しは変わるのだろうと期待していたわたしが愚かだったということだ。「ドストエフスキーとニーチェ」で書いたように、ロシアのようなルネサンスを経ていない民族はいつまでも保守反動のままだ。じゃ、今の日本人は?今の日本人もロシア人と同じだ。日本人がロシア人と違うのは、戦争に負け米国から憲法を押しつけれられて、米国の猿まねをせざるを得なくなったことだ。日本人の今の「民主主義」まがいの政治状況は表層的なものにすぎない。一皮剥けば、ロシアと同じ保守反動の全体主義なのである。では、どうすればいいのか。やはり、日本人が個人主義を身につけることだろう。日本人が個人主義を身につけるにはどうすればいいのか。それはやはり自分の自尊心の病とベルクソンのいう持続に気づくことだろう。わたしはそのことを知ってもらうため、ドストエフスキー論を書いている。