2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

奨学金問題

大学で育英奨学金を受けて勉強した人は次の三種類に分かれます。 1)大学を出てすぐ企業などに就職し、奨学金を返済できる人。 2)大学院を出てすぐ教育機関(大学や研究所など)に就職したため、奨学金の返済を免除された人。 3) 大学院を出ても、すぐ教…

オクジャワのソ連批判

「初めての恋は」(ブラート・オクジャワ) 初めての恋は、心を燃やす。 二度目の恋は、初めての恋を追う。 三度目の恋は、手が震える。 鍵が錠に合わない、腕にかかえたトランク。 最初の戦争は、誰の罪でもない。 二度目の戦争は、誰かの罪。 三度目の戦争…

芸術とは何か

先に述べた「風立ちぬ」の話の続き。 ドストエフスキーとトルストイのどちらがいいか、とか、ベートーベンとバッハのどちらがいいか、とか、朔太郎と中也のどちらがいいか、とか、ゴッホとマチスのどちらがいいか・・・というような質問は愚問に他ならない。…

教会ひとり

これは某年某月某日「中江藤樹記念館」で撮った写真。 私はこの額縁に収められた藤樹の言葉をそのまま肯定する。これは私に儒教の精神が徹底的に染みこんでいるからだ。 中江藤樹は儒教(孔子が始祖)の一派である陽明学を日本に広めた近江聖人と呼ばれた人…

種をまく

ようやく大根と蕪(かぶ)の種(たね)をまくことができた。大根と蕪は種をまくまえに堆肥と苦土石灰、それに油粕を入れた畝を一週間寝かせる。その一週間寝かせて、さあ種をまこうと思ったとき豪雨があった。種まきは延期。畝を作り直し、ようやく今朝まく…

歴史について 

次の文章は、パリに亡命していたロシアの哲学者ニコライ・アレクサンドロヴィッチ・ベルジャーエフが1934年に書いた、『現代世界における人間の運命』(野口啓祐訳、社会思想社、1957)です。ここでベルジャーエフは、ヨーロッパ流の民族主義、とくにナ…

風立ちぬ

宮崎監督の「風立ちぬ」というアニメ映画を見ました。ドストエフスキーの作品ほどではありませんが、「風立ちぬ」というアニメもポリフォニック(多声的)な内容をもっていると思いました。つまり、この作品をどんな風に見るかによって、見る人の人となりが…

ジラールのドストエフスキー論の意義

受講生からの質問がありましたので答えます。 「ルネ.ジラールの模倣の欲望についての考えを否定することはドストエフスキーの宗教観の源(キリスト)を否定することになる」と私は授業で述べましたが、それはどういう意味か、というご質問です。 ジラールは…

PAについて

英語に'Patient-centred Health Care(PCHC)(患者中心の医療)'という言葉があります。ここから連想して、私は'Ego-centred Argument(自尊心中心的な議論、略して'EA')'、'Problem-centred Argument(課題中心的な議論、略して'PA')'という言葉を作りま…

澤地久枝

「みんな子どもだった」というテレビ番組で澤地久枝が自分の不倫の話をしているのを聞いて、中山あい子の小説「春の岬」を読んだ。これは澤地久枝と不倫関係になった有馬頼義とその夫人をモデルにした小説だ。中に小説の主人公である有馬夫人の親友の冨田夫…