2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

内村剛介

わたしは内村剛介の書いたものをわりあいよく読んできたほうだと思う。ソ連の収容所などに関して、知らないことをいろいろと教えてもらった。これは感謝している。 しかし、あるときから、内村剛介は詐欺師と言ってもいい人ではないのか、と疑うようになった…

折目博子

夫も子供もいる「私」は、妻も子供もある男と、「自分達のあずかり知らない欲望のまま」、知らない街にゆき、そこで住みはじめる。今は亡き折目博子の短篇。折目博子は作田啓一の奥さんだった。小島輝正からそのことを教えてもらった。小島は富士正晴から折…

習うより慣れろ

わたしは五十年近く前、「習うより慣れろ」と繰り返す関口存男の何とかという本でドイツ語を学んだ。その本は今も、ほこりにまみれて家のどこかにあるはずだ。箱入りの、枕にできるほど分厚い、頑丈な本だった。じっさい枕にして昼寝をした覚えがある。 要す…

お座布団の上

昨日は林秀彦のわるくちを書いてしまったが、わたしは林を全部あかんと言っているわけではない。わるくちを言ったあとで言い訳みたいになるが、林の思想そのものは好きだ。たとえば、林は司馬遼太郎を尊敬していて、こういう。 司馬さんはずるいお方だった。…

エッチ

この前の公開講座のあとの懇親会、と言っても、わたしの場合、酒をがぶがぶ飲んで、わけの分からないことを叫ぶだけだが、その懇親会で、わたしと同じぐらいの年齢の女性に、 「わたし、「エッチ」という言葉は好きではありません」 と、言われた。 そう、わ…