2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

フェミニズム、マルクス主義、土壌主義

このブログの「吉本隆明の亀山郁夫批判」でも述べたように、ドストエフスキーの唱えた土壌主義というのは、貴族である自分を養い育ててくれた人々(農奴や労働者)に対する恩を忘れないということにすぎない。もっと理屈っぽい言葉で言うなら、そのような人…

公開講座再開のお知らせ

大阪府立大学の公開講座「ドストエフスキーを読む」シリーズを私の病気(舌癌)の手術と治療ため中断していましたが、手術も無事終えました。そして、公開講座の受講生とのコミュニケーションには支障のない程度にはお喋りの能力も回復しましたので、今年度…

ドストエフスキーとニーチェ

三島由紀夫をはじめ、ニーチェの思想に共感する人は多いけれど、学生だった昔から、私にはそういう人がよく分からなかった。学生の頃は何となくイヤだなあ、と、思っていただけだが、ドストエフスキーが分かるようになってからは、ニーチェの思想は回心前の…

吉本隆明の亀山郁夫批判

テレビで亀山の「100分de名著」を見ていて、吉本隆明の「大衆の原像」という言葉を思いだした。それは亀山がドストエフスキーの土壌主義のことをのべていたからだ。 このブログ(「第二の敗戦期」)でも紹介したが、吉本は亡くなる前、亀山の訳した『カラマ…

(続々)亀山郁夫の「100分de名著」

正月に、たまりすぎたテレビの録画を消去していて、偶然、亀山の「100分de名著」の最終回(第四回)を見てしまった、ということについてはすでに述べた。見なければよかったのだが、見て、不愉快になり、ついブログに不愉快になった理由を書いてしまった。と…

虚栄嫌い

前稿で私は「朝日に戻ったのは、その文章が良かったからだ。読売を講読していたときは、その文章の肩の力が抜けたような平凡な調子に物足りなさを感じ、産経を講読していたときは、その頭の悪い人が書いたような文章(失礼!)に戸惑い、結局、朝日に舞い戻…

朝日新聞という病

門田隆将の『新聞という病』という本がよく売れているそうだが、私のこの文章はそれとは関係がない、というか、たぶん根っこのところではつながっているのだろうが、さしあたり、直接、関係はない。 朝日新聞は私がものごろころついた頃から、私のまわりにあ…

不幸な家族は幸福な家族を不幸にする

元農水次官が長男を殺してしまった事件の判決が先日あった。 私はこの事件が起きたとき、これは典型的な「いじめ事件」だと思った。 私のいう「いじめ事件」とは、家族の一員が誰かから受けたいじめによって家族が崩壊してゆく事件のことだ。私の家族の場合…

(続)亀山郁夫の「100分 de 名著」

前稿を書いたあと、きょう、もう一度、亀山郁夫の「100分 de 名著」の最終回の録画を見た。私はかなり前、一度亀山のその番組を見たきりで前稿を書いたので、記憶を確認するために、もう一度見たのである。見て、私は自分の記憶にかなり間違いがあることに気…

亀山郁夫の「100分 de 名著」

NHKで放送されている「100分 de 名著」はいつも録画していて、あとで見るようにしているのだが、見るのをサボっている。というのも、見ても、がっかりすることが多いので、しだいに録画するだけになったのである。そして、結局は見ないまま消去することのほ…