2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『沖縄ノート』3

小説などのフィクションを除いて、私がある文章の価値を判断する基準は、それがどれほど私のいう「物語の暴力」を含むか否かということだ。たとえば、このブログの「続・自尊心の病」で述べたように、自らの自尊心の病に気づいていない者は、自分がさまざま…

新聞

私が新聞に載ったのは後にも先にも一回きりだ。 それは中学生の頃、たしか当時の郵政省のきもいりで「郵便友の会」というのが出来、なぜか私がその会の会長になったときのことだ。 会長といっても、会員はたしか四人だけだ。いや、もっといたかもしれないが…

『沖縄ノート』2

次に引用するのは、左翼のあいだで悪名の高い藤岡信勝氏の発言だが、私はほとんど違和感を覚えなかった。ここから浮かび上がってくるのは大江健三郎氏の小説家としての想像力がその『沖縄ノート』を書かせたという事実だけだ。大江氏は一種の小説として『沖…

『沖縄ノート』1

私が学生の頃読んだ大江健三郎の『沖縄ノート』(岩波新書)。当時は大江の記述をそのまま信じ、軍部というのはひどいことをするものだと思っていた。 ところが、後年、当時の座間味島での日本軍指揮官梅澤裕氏と渡嘉敷島での指揮官赤松嘉次の弟である赤松秀…

佐藤泰志

「書くことの重さ」という映画を見た(大阪、十三の第七芸術劇場:午前10時〜12時、稲塚秀孝監督の挨拶あり)。 佐藤泰志は私より二歳下だが、私とほぼ同時代を生きた。佐藤より一歳下で同じ北海道出身の稲塚秀孝監督がこの映画を撮った。このドキュメン…