2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

田宮虎彦

田宮虎彦は父親から虐待を受けて育った。その父親のイメージと当時の軍国主義へと傾斜してゆく世相が重なり、田宮を苦しめる。それを田宮は次のように表現した。 大学を出たところでむなしい人生しか残されていはしないということが、既にのぞき見ていた世の…

吾輩は猫である

本日の「吾輩は猫である」。 「第三にと……迷亭? あれはふざけ廻るのを天職のように心得ている。全く陽性の気狂(きちがい)に相違ない。第四はと……金田の妻君。あの毒悪な根性は全く常識をはずれている。純然たる気じるしに極(きま)ってる。第五は金田君…

顔にはすべてが出る。自分では隠しているつもりでも、他人には全部分かってしまう。だから、自分を飾るのは無意味なのである。 ・・・テレビの画面には、着陸した特別機にタラップが架けられ、坊主頭の小野田寛郎少尉が縦縞の水色の背広を着て、扉口に出てき…

落合恵子

最近、朝日新聞が朝刊・夕刊とも良くなってきた。相変わらず、朝日特有の左翼病な記事も多いが、新聞全体のバランスが良くなり公平になってきた。編集者が変わったのだろうか。金原ひとみの連載小説やこの落合恵子へのインタビューも読ませる。 人生の贈りも…

パターナリズム

佐藤愛子は正しい。 優しさというのは人間をダメにする。相手の気持を推し量って、先回りして・・・というのは、バカのすることである。こういうのを英語ではパターナリズム(paternalism)という。パターナリズムは相手を自分の思うままに振り回そうとする…

誰のための愛

この前テレビを見ていたら、倍賞千恵子とクミコという人が「誰のための愛」という歌を歌っていた。いい歌だった。思わず泣いてしまった。 その歌は三浦綾子の「氷点」という小説をもとにしたものらしい。歌詞に旭川と「氷点」という言葉が出てくる。「氷点」…

ドストエーフスキイの会

受講生からドストエフスキーの研究会みたいなものがあるんですか、と、質問されることがときどきあるので、その会を次に紹介します。 http://www.ne.jp/asahi/dost/jds/index.htm また、次の「木下豊房ネット論集」冒頭の「商品としてのドストエフスキー――商…