2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

私生児

きのうカミさんを病院に送っていった帰り、図書館で借りた高見恭子が朗読する高見順の「私生児」を車の中で聞いた。胸に迫って涙がぼろぼろこぼれてきたので、あわてて車を停めて泣いた。「私生児」というのは高見の私小説である。高見恭子は高見の娘である…

マスタベーション

きのう医者に行って、待合室に置いてあった「婦人公論」をめくっていると――その医院には子供向けの絵本か女性向けの雑誌しか置いてないのである――伊藤比呂美が同年輩の女性たちと、自分は「超高齢者」の夫を亡くしたあと、世話する相手がいないので欲求不満…

早坂暁

早坂暁の追悼番組のひとつである「新・事件 わが歌は花いちもんめ」の録画を、きのう、ようやく見ることができた。今から三十数年前に放送されたものだ。足が動かなくなった七十一歳の老婆(鈴木光枝)――今なら老婆と言わない――が、嫁の手助けで入水自殺する…