日本教

統一教会

いつも行くプールのあるビルの下で元総理の安倍晋三氏が山上某によって射殺された。精神鑑定すべきは山上ではなく、統一教会から利益を得ていた国会議員だ。正気であれば誰でもそう思うはずだ。

タコツボ

昔、木下豊房とともに亀山郁夫のスタヴローギン論や『カラマーゾフの兄弟』の翻訳についてロシア文学会あてに亀山との公開討論を申し込んだ。しばらくすると、討論会をしましょうという返事がロシア文学会から来たのだが、直前になって、木下豊房から討論会…

神さんに祈りなはれ

京大天皇事件で有名になった中岡哲郎先生が、子供のとき、友達から、天皇もあれをしやはるんやろか、と友達に聞かれた。姉の本などを覗いて、こっそり女体の構造などを調べていた、科学的精神にあふれていた中岡少年は、「当たり前や」と答えた。すると、そ…

(続)誰が菅総理の声を消したのか

本日おこなわれている衆議院の原子力問題調査特別委員会で、東電の現社長は、菅元総理が誰が菅総理の声を消したのかを東電に再調査するよう求めたのに、それを拒否した。

イラ菅

菅直人は「イラ菅」と呼ばれていたが、彼が苛立っていたのは、わたしのいう「アイヒマン的なるもの」のためだった。彼のその苛立ちは正しかった。その正しさが分からない、あるいは分かりたくない人だけが、彼を「イラ菅」と呼んだ。

『真空地帯』

五年前、フェイスブックに書いた文章を以下に採録する。野間の『真空地帯』は今も良い小説だと思っている。 -------------------- 二年前の昨日、大西巨人が亡くなった。1916年8月生まれで、享年97歳。長生きしたものだ。大西は九州大学中退だが、大…

ソンタク

人は自分で自分のふるまいを見ることはできない。したがって、日本人は永遠に「ソンタク」とは何かということを定義することはできない。「ソンタク」とはまさに日本的構造であり、それは日本人の行動全体を規定している。「ソンタク」という言葉を言い換え…

全体主義

きょうの朝日新聞に丸山真男の朝日新聞記者宛の私信が載せられていた。私信でしか本音を言わない丸山も丸山だが、今頃になってそれを載せる朝日もどうかしている。昔、わたしがモスクワにいた佐藤優にこの丸山と同じようなことを書いた年賀状を送ったら、そ…

豊洲移転問題

わたしはいまマスコミが騒ぎ立てている豊洲移転問題(注)そのものに興味はない。豊洲への移転は安全の面から言って、何の問題もない。わたしにとって興味があるのは、移転して何の問題もない豊洲市場について、なぜ小池都知事やマスコミが問題にしているの…

天皇の政治利用

内田樹による天皇の政治利用 先の「神聖不可侵なもの」という文章で、私は次のように書いた。 「内田樹は天皇という日本人の多くにとって「神聖不可侵」な存在を、自分の政治的な目的のために利用した。このため、私は違和感を覚えたのだ。」 しかし、こう書…

神聖不可侵なもの

最近、内田樹が「僕が天皇に敬意を寄せるわけ」という文章を書いていた。私はその文章に違和感を覚えたので、その理由について書いておきたい。なぜなら、その違和感は私が最近の政治状況にしばしば覚える違和感でもあるからだ。 日本人には最期に結論を言うと…

東京裁判

ベルジャーエフの西洋観 今もときどき読み返す文庫本のひとつに、学生のころ買った『現代世界における人間の運命』(ベルジャーエフ、野口啓祐訳、社会思想社、1957)というのがある。ヨーロッパに亡命していたロシア人のベルジャーエフが1934年に書いた…

日本人のエゴイズム

『京都新聞』(9月18日、朝刊)に内田樹が安保法案について書いていた。日本がアメリカの属国であるとか、属国であるので、安倍首相は先のアメリカ議会で安保法案の成立を約束したのだ・・・というような内田の言葉はその通りと私も思う。私もこのブログで何…

もっとも少なく悪い安保法制

私は先の安保法制をめぐる国会での与党と野党のやりとり、さらに国会を取り巻くデモをテレビで見ながら、この先、日本はどうなるのだろうと不安になった。そのことについて少し書いておこう。 もっとも、安保法制のような問題について述べるときには、まず自…

中沢新一と亀山郁夫(3)

これまで見てきたように、中沢新一や亀山郁夫にモラルがないことは明らかだろう。彼らは『地下室の手記』の主人公と同様、自分の欲望を満たすためなら、どんなことでもするだろう。 なぜ彼らはそのような人間なのか。それは彼らに宗教がないからだ。ここで私…

古館伊知郎とプロレス的構造

子供の頃はプロレスが好きで、とくに、力道山や東富士が好きだった。家にテレビがないので、近所の金持の家に上がりこんで見せてもらった。その状態がずっと続き、家にテレビが来てからもプロレスは見続けた。しかし、あるとき、誰かから「プロレスというの…

ヒットラーの手法

「内部の、そして外部の敵を探せ、そうすれば、われわれは団結できる!」 このヒットラーの手法こそ、ドストエフスキーが『悪霊』で描いたピョートルの手法である。 オウム真理教はこのやり方を反復した。尼崎の大量殺人鬼・角田美代子もこのやり方を反復し…

教会ひとり

これは某年某月某日「中江藤樹記念館」で撮った写真。 私はこの額縁に収められた藤樹の言葉をそのまま肯定する。これは私に儒教の精神が徹底的に染みこんでいるからだ。 中江藤樹は儒教(孔子が始祖)の一派である陽明学を日本に広めた近江聖人と呼ばれた人…

「日本教」の消滅(承前) 

これまで述べてきたように、死産児の内面と現在の日本の状況は重なる。それは当然そうなるはずであり、日本人の多数派が死産児ということになれば、その死産児たちが生きている日本の社会は彼らの内面を反映したものになるからだ。この点についてあと少し述…

カナリアとしてのドストエフスキー論

これまで亀山郁夫のドストエフスキーの翻訳やドストエフスキー論を読んできて痛感したのは、「いくらなんでもここまではしないだろう」という一線を亀山が平気で踏みこえてしまっているということだ。たとえば、亀山による『悪霊』のマトリョーシャ解釈や『…

コップの中の嵐

長瀬隆からの返信を一ヶ月待っているが、来ないので、この文章を書く。ドストエフスキーに関心のない人にはつまらないコップの中の嵐だろう。しかし、ジラールのいう模倣の欲望を明らかにしている話だと思うので、ドストエフスキーやジラールに興味のある人…

蟻の兵隊

ブログ「連絡船」の木下和郎さんに教えてもらったドキュメンタリー映画『蟻の兵隊』をようやく見ることができた。その映画に登場する元日本兵奥村和一さんへのインタビューを収めた『私は「蟻の兵隊」だった―中国に残された日本兵 』(岩波ジュニア新書)も読…

緊急順不同

もうすぐ定年なので研究室にある本を整理しているということは前に書いたが、昨日も授業のあいまに整理していると、中野重治の本がかなり出てきた。さあ、これをどうするか、と、首をひねりながら、未練がましく撫でさすっていると、三十年前の記憶がよみが…

ないものねだり 

私は「徒党」を憎む。なぜなら、徒党を組むとは、丸山真男(『日本の思想』、岩波新書)のいう「タコツボ」に入り、山本七平のいう「集団倫理と状況倫理」(『「空気」の研究』、文春文庫、1983、pp.107-114)に与することであるからだ。そこには自由も責任…

天皇と小林秀雄

昨夜、寝つかれないまま、小林秀雄講演第一巻「文学の雑感」(新潮社)というCDを聴いていたら、その昭和45年の講演のあと、小林に「天皇とどう付き合えばいいのか」と問う男性がいた。その質問に対して小林は、「そんな抽象的な質問をしてはだめだ。天皇…