2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

公開講座のお知らせ

ドストエフスキーを読む - イベント|大阪府立大学 (osakafu-u.ac.jp)

ドストエフスキーが分からなかった頃

わたしはドストエフスキーを分かりたいと思い、神戸の外国語大学に入ったのだが、いくらたってもドストエフスキーが分からなかった。しかし、三十過ぎに離人症になったあと、分かるようになった。この「十字路で」という文章はその三十過ぎの頃を書いた文章…

『男のポケット』

この六編からなる「何を読むか」シリーズで書いた文章を読み返してみて、自分の書いたものでありながら、こんなものを書いていたのか、と、驚いた。とくに、この『男のポケット』を扱った文章はよかった。と、自分で言うのもなんだが、よかった。書評はこう…

赤木俊夫の死

2年前、近畿財務局職員の赤木俊夫氏(54)が自ら命を絶った。彼が残したファイルを財務省は公開しようとしない。 赤木氏は財務省、いや、日本の至るところにいる「アイヒマン」の一人になることを拒否し、自死を選んだのである。 世界中に「アイヒマン」…

イラ菅

菅直人は「イラ菅」と呼ばれていたが、彼が苛立っていたのは、わたしのいう「アイヒマン的なるもの」のためだった。彼のその苛立ちは正しかった。その正しさが分からない、あるいは分かりたくない人だけが、彼を「イラ菅」と呼んだ。

山本七平のイソップ言語論

同じ時空間に生きていないとその時空間にのみ通用する共通感覚やイソップ言語など分かりようがない。このことは少し考えれば誰にも分かるはずなのに、亀山郁夫には分からなかった。このため、彼は誤ったロシア革命論やショスタコーヴィチ論、さらにドストエ…

共通感覚

亀山郁夫の『磔のロシア──スターリンと芸術家たち』は共通感覚というものを無視した妄想に満ちた悪書だが、これが2002年度の大佛次郎賞(朝日新聞)をもらったのには驚いたものである。そのことについては、すでに「はてなダイアリー」で述べた。しかし…

『真空地帯』

五年前、フェイスブックに書いた文章を以下に採録する。野間の『真空地帯』は今も良い小説だと思っている。 -------------------- 二年前の昨日、大西巨人が亡くなった。1916年8月生まれで、享年97歳。長生きしたものだ。大西は九州大学中退だが、大…

読売新聞と産経新聞の誤報

ようやく菅直人の率直な声が聞けた。読売・産経の嘘つき(と、体言止めで書きたくなる)。 菅:・・・というのも、東電は事故が起きてから最初の24時間のテレビ会議の記録を、いまだに公表していないんです。かなりの混乱があり、とても、おもてには出せない…

コメント欄復活

このブログのコメント欄を復活させた。その経緯について簡単に述べておこう。 この「はてなブログ」は以前「はてなダイアリー」で書いていたものをそのまま引き継いだものだ。なぜ引き継いだのかといえば、あるとき、「はてなダイアリー」は「はてなブログ」…

体言止め

最近、五十年ほどかけて書いたことになるドストエフスキー入門書というかドストエフスキー再入門書みたいなものが出来上がって、ほっとしている。そして、わたしに残された人生は短いはずなので、ドストエフスキーの作品の中から好きなものを順に訳しておこ…