2011-01-01から1年間の記事一覧

ドストエフスキーと私

昨日、30分だけだったが、神戸外大ロシア学科の同窓会(楠露会)で話をさせて頂いた。以下はその原稿。 - ドストエフスキーと私 きょうは会のために何か話をしてほしいと山田さんから御依頼を受けましたので、私がなぜドストエフスキー研究者になったのか…

オリンパスと読売

最近マスメディアで伝えられているオリンパスと読売の出来事は、「天皇制」が日本ではいまも健在であることを明らかにしただけだ。要するに、日本とはいまも菊川剛(オリンパス)や渡辺恒雄(読売新聞)など、無数の小天皇たちをいただく社会なのだ。という…

チェルノブイリ・ハート

昨日、絶飲食のまま堺東の診療所で健康診断の再検査を受け、その帰り、「チェルノブイリ・ハート」(シネ・リーブル梅田)を観た。これは二つの短編記録映画からなり、第一部がミンスクの病院などを舞台にした「チェルノブイリ・ハート」(チェルノブイリの…

話しても分からない

自尊心の病に憑かれた人には話しても無駄だ。そんな人は相手の言うことを分かろうとはしない。話せば話すほどその人を激昂させるだけだ。だから、私はそんな人には何も話さない。沈黙するか、さっさとその場を立ち去るだけだ。私のことを無愛想だという人が…

西部邁と大審問官伝説

前回西部邁がドストエフスキーと同じ立場に立つ思想家だと述べたが、その言葉の意味を理解することができない人がいるかもしれないので、もう少し説明を加える。 と言っても、この説明はじつに簡単だ。西部の著書のどこを開いてもドストエフスキーの思想に出…

西部邁とドストエフスキー

私が西部邁を尊敬するようになったのには二つ理由がある。 ひとつは西部が『大衆の病理』(NHKブックス、1987)や『白昼への意思――現代民主政治論』(中央公論社、1990)などで述べている大衆批判やメディア批判に深く共感したからだ。ここで批判している…

西部邁を尊敬しているのなら

西田昌司は西部邁を尊敬しているそうだ。西田ほどではないかもしれないが、また右翼ではないが、私も西部邁を尊敬している。これまで西部の書いたものはほとんど読んできた。西部が西田も同席していた場で述べているように(「2009年大晦日特番 『如何にせん…

西田昌司に敢闘賞?

今朝の朝日の朝刊で星浩が「国会「三賞」」のひとつとして、自民党の西田昌司に敢闘賞を贈呈している。贈呈したのは、西田が前原外相の外国人献金問題を暴露し辞任に追い込んだからだ。最初冗談だと思ったが、何度読んでも冗談ではなく、星は本気で贈呈して…

民主党が終わった

野田佳彦が総理大臣になり、小沢一郎の盟友、輿石東を幹事長に選んだ。これで民主党が終わった。最近藤井裕久がNHKで小沢を激しく批判したので多くの人が気づいているだろうが、小沢は自分の権力欲のためなら何をしてもかまわないという人物だ。その一例…

昭和天皇が亡くなる直前のマスコミと菅包囲網

このブログはある理由のため、しばらく休むつもりでいたのだが、朝日新聞の秋山惣一郎記者の菅批判があまりにも狂った代物だったので、黙っていることが不可能になり、思わずその菅批判について書いてしまった。書いてしまうと、もはや菅擁護の気持は押さえ…

朝日新聞は小沢新聞

菅首相が辞任表明を行った直後、民主党幹事長の岡田克也は自分のブログで次のようにメディアを批判した。 先ほど、党の役員会、常任幹事会、そして両院議員総会で、菅総理が代表を辞任することを述べられました。そして、代表選挙の手続きに入ることが決定さ…

菅直人の人柄などどうでもいい

3月11日の震災のあと1ヶ月ほどして、松本健一内閣官房参与が記者の質問に答えて次のように言った。「菅首相が福島原発周辺は今後10年から20年、人の住めない土地になると言っていたよ」。これを聞いた記者が菅首相に確認したところ、自分はそんなこ…

鳩山由紀夫を批判するな

前回、鳩山由紀夫と小沢一郎の悪口を言ったが、小沢はともかく、鳩山由紀夫を私は嫌っているわけではない。いや、小沢にしても嫌いではない。なぜなら彼らは政権交代を成し遂げたからだし、そのために団結することができたからだ。その一点で私は彼らを高く…

狂ったメディアと政治

この国のメディアと政治はほんとうに狂ってしまったのか。 今朝の朝日新聞朝刊を読むと次のような記事があった。 「前原氏が総理になったら、すぐあの問題が再燃するぞ」。22日の国会内の公明党控室で向き合った自民党の逢沢一郎、公明党の漆原良夫両国対…

菅直人の政治スタイル

最近驚いたのは、テレビの国会中継を見ていて、自民党議員の「いつ辞めるのか」という追及に海江田経産大臣がわっと泣いてしまったことだ。つねづね「自分のことなどどうでもいいんです」と言っていた海江田氏が泣いたのだ。自分のことがどうでもいいのなら…

「君が代」と「川の流れのように」 

私は昔「川の流れのように」を初めて聞いたとき、なんていやな歌だと思った。もともと美空ひばりのあの悲鳴のような声がきらいだったこともあるが、何よりも秋元康の書いた歌詞が不快だった。特に最後の、 ああ 川の流れのように おだやかに この身を まかせ…

菅内閣包囲網

どうもまだ言い足りないので、前回の続き。 今年の3月11日、地震が起きたその時間、私は引っ越しを終えた直後で、段ボールの山を整理しながら、引っ越し前から見ていたテレビの国会中継を横目で見ていた。なぜ国会中継を見ていたのかといえば、菅首相が外…

菅首相がわがまま者?

私はいま事情があってブログを休んでいるが、今朝の朝日の記事には驚いたのでひとこと述べておこう。「薔薇、または陽だまりの猫」というブログにその記事が紹介されていたので、引用させて頂く(「薔薇、または陽だまりの猫」さん、断りもなしに引用してご…

冷たい熱帯魚

横板さんが書かれていた映画「冷たい熱帯魚」をようやく見ることができた(「シネ・リーブル梅田」)。観客は10名ぐらいか。平日の最終回だが、それにしても少ない。 つまらない映画だった。原作の「愛犬家連続殺人」(志摩永幸著)を読んでいたためかもし…

金光翔への集合暴力(1)

前回「コップの中の嵐」で、次のように述べた。 言うまでもないことだが、長瀬が私に対して集団で行おうとしたことこそ、ジラールが繰り返し論じている模倣の欲望による集合暴力なのである。自分の自尊心に気づいていない集団の成員が、結局そのため、模倣の…