引きこもり

書けることと書けないこと

一読し、著者に深い尊敬の念を抱きました。このようなことについては、書けることと書けないことがある。著者はその書けないことの限界まで書かれていると思います。ここに書かれているのは、いわゆる「共依存」には違いないのですが、その共依存から身をも…

いやな人には会わない

いやな人には会わない。いやな人に会うと、必ずグロテスクなことになる。たとえば、わたしはその人に会っている不快さに耐えることができなくなり、アルコールを浴びるように飲み、こちらの精神が崩壊して乱暴狼藉を働くとか、罵声をその人に浴びせるとか・…

不幸な家族は幸福な家族を不幸にする

元農水次官が長男を殺してしまった事件の判決が先日あった。 私はこの事件が起きたとき、これは典型的な「いじめ事件」だと思った。 私のいう「いじめ事件」とは、家族の一員が誰かから受けたいじめによって家族が崩壊してゆく事件のことだ。私の家族の場合…

不登校と医療

昔、大阪で「不登校と医療を考える」というシンポジウムを開いた。精神科医の石川憲彦、川端利彦、門真一郎、それと東京シューレの奥地圭子の四人にしゃべってもらった。とても有益な内容のシンポジウムになった。不登校児が精神科医にかかるさいの参考にな…

パターナリズム

佐藤愛子は正しい。 優しさというのは人間をダメにする。相手の気持を推し量って、先回りして・・・というのは、バカのすることである。こういうのを英語ではパターナリズム(paternalism)という。パターナリズムは相手を自分の思うままに振り回そうとする…

夏苅郁子 

このインタビュー記事は良かった。しばしば、朝日新聞は下らない、廃刊した方がいい、と思うことがあるのですが、こういう記事が載ると、やはり朝日はいいと思う。私がこの医者を愛するのは、えらそうに説教しないし卑怯ではないから。ありのままの自分を他…

味覚

人間というものは、自分の生存が脅かされると味覚を失う。吉田健一はそのことについてこう述べた。 その四年前に、アメリカとの戦争が始まった晩に銀座のバアで飲んでいて、先輩の一人が、戦争が起れば味覚は四十八時間のうちに消滅すると言ったのが、その時…

いじめ

私は専門のドストエフスキー研究についやした時間よりも不登校とか引きこもりの子供たちや大人たちと付き合った時間の方が長いと思う。そんなことをし始めたのは、私の娘がいじめで不登校になったのがきっかけだが、最初はおそるおそる、そのうち本気で彼ら…

不登校

いじめで不登校になる子供も多いですが、なんとなく学校がいやだ、という不登校児も多い。中でも、先生と合わないというのが多い。小学校の担任は専制君主みたいなもんですから、粗暴とかわがままな担任に当たると、登校が不可能になる。粗暴とかわがままな…

取扱説明書

あるとき突然、ブルーレイで録画していたテレビ放送を見ることができなくなった。そこで、ブルーレイ録画機器の取扱説明書はどこだったか、と思い出しながら、その録画機器の背後を見ると、テレビと録画機器をつなぐプラグが外れていた。そのプラグを差し込…

希望

一昨日の朝日新聞夕刊(11月25日)に載っていた記事(下に引用)を読み、いつも同じことを考えている自分に気づいた。 この親に殺された女性が狂っていたとは思えない。なぜなら、記事にあるように、彼女は14年前に入院したとき、次のようなことを日記…

どしゃ降りの一車線の人生

森有正はそのドストエフスキー論で、人生は邂逅(かいこう)、つまり、出会いだという。私もそう思う。邂逅によって、人生が決まる。とくに学校の先生との出会いは大事だと思う。私ひとりの狭い経験にすぎないが、これまで不登校や引きこもりになった子供や…

くたばれ、フロイト、ラカン!

昨夜、テレビをつけると、偶然、『沖縄 うりずんの雨』を撮ったジャン・ユンカーマン監督が沖縄のことを話していた(BS-TBS「週刊報道LIFE」:2015/5/10/pm.21:00-22:00)。要するに、現在、沖縄といわゆる「本土」の関係が悪化しているのは、「本土」の人間…

聞いてほしい 心の叫びを

NHKスペシャル『聞いてほしい 心の叫びを 〜バス放火事件 被害者の34年〜』(初回放送=2014年2月28日(金)午後10時00分〜10時49分:語り=山根基世 朗読=余貴美子)。 最近、再放送があったので見ました。見ていて、昔、不登校や引きこもりの会をやってい…

死の受容

私は昔、キューブラー=ロスの『死ぬ瞬間』における「死の受容」の各段階を不登校児およびその伴走者である親の心理に当てはめて述べたことがあります。その大要は大阪のある不登校児をもつ親の会の会報に「お父さんのための不登校講座」というふざけた名前…

正義感、じつは自尊心の病

以下のHPからの引用にあるように、正義感が原因でいわゆる「引きこもり」になる人は多い。毎日少しずつ不満をためこんでゆき、あるとき、職場や学校に行けなくなる。身体が動かなくなる。職場や学校の環境が良くないことは明らかなのだが、その良くない環境…

不登校や引きこもりは病気ではない

被害者にならない為の知識-精神薬を学ぶ- 未分類 文字化けしていますが上のブログをクリックして下さい。 そのブログで述べられていることさえ知らない人が多いように思います。 知らないと、しばしば次のようなことが起きます。 子供がさまざまな原因(親…

ピアソラ

月刊誌とか週刊誌を買うのは年に一、二度だ。買っても読まないのが分かっているので買わないのだが、それでも、どうしても読みたい記事があるときは買う。そんなことは年に一、二度ぐらいしかない。年に一、二度買う月刊誌や週刊誌も、目当ての記事を読むと…

話しても分からない

自尊心の病に憑かれた人には話しても無駄だ。そんな人は相手の言うことを分かろうとはしない。話せば話すほどその人を激昂させるだけだ。だから、私はそんな人には何も話さない。沈黙するか、さっさとその場を立ち去るだけだ。私のことを無愛想だという人が…

ないものねだり 

私は「徒党」を憎む。なぜなら、徒党を組むとは、丸山真男(『日本の思想』、岩波新書)のいう「タコツボ」に入り、山本七平のいう「集団倫理と状況倫理」(『「空気」の研究』、文春文庫、1983、pp.107-114)に与することであるからだ。そこには自由も責任…

「引きこもり」私感

きなりさんという方からコメントを頂いたけれど、きなりさんによって指摘された問題が私の力を超えていて、正確に応答することができなかった。自分以外の誰かを助けることができればいいのだが、それは私たちには不可能だ。これは人間にとって、自分のエゴ…

島尾敏雄の「青春」

あと一年少しで定年なので少しずつ研究室にある本の整理をしているのだが、なかなか片付かない。定年後は病院とか図書館が近くにある賃貸の公団住宅に引っ越し、体力と運と命があれば、スーパーの駐車場などで車の交通整理をしながら余生を過ごすつもりだ。…

誤診

きのうは京都国際会館で児童精神医学会総会。門会長が「三年前から製薬会社の後援を受けない学会にした」という旨の挨拶をする。言うは易く行うは難し。門さんの言葉に感動。製薬会社の後援を受けながら、精神科医の多剤投与を批判することはできない。 その…