メディア批判

ジャニー喜多川と黒柳徹子

昨夜、テレビをつけたら、偶然、市川崑が監督した映画『犬神家の一族』をやっていた。面白いので、ずるずる最後まで見てしまった。わたしはホラー映画や怪談を扱った映画が大好きなのである。 その『犬神家の一族』をずるずる最後まで見てしまったのは、わた…

統一教会

いつも行くプールのあるビルの下で元総理の安倍晋三氏が山上某によって射殺された。精神鑑定すべきは山上ではなく、統一教会から利益を得ていた国会議員だ。正気であれば誰でもそう思うはずだ。

プーチンは狂人ではない

プーチンのウクライナ侵攻が始まったので、邦訳された、以前読んだことのあるアンナ・ポリトコフスカヤの本(『プーチニズム――報道されないロシアの現実』と『ロシアン・ダイアリー――暗殺された女性記者の取材手帳』)を再読した。アンナ・ポリトコフスカヤ…

野いちご

ベルイマンの映画『野いちご』で、主人公の老教授イサクは或る詩を口ずさみはじめるが、途中で詩の文句を忘れる。すると、彼を囲んでいた行きずりの若者たちがその詩を続ける。その詩は或る人のブログ(https://yojiseki.exblog.jp/11966306/)によれば、こ…

赤木ファイルの公開

アイヒマンはどこにもいる。あなたもわたしもアイヒマンである。ひとりのアイヒマンを首縊りの木に吊しても、二人のアイヒマンをこの世界から追放しても、三人のアイヒマンに罵声を浴びせても、あなたやわたしがアイヒマンでなくなるわけではない。もうすぐ…

イラ菅

菅直人は「イラ菅」と呼ばれていたが、彼が苛立っていたのは、わたしのいう「アイヒマン的なるもの」のためだった。彼のその苛立ちは正しかった。その正しさが分からない、あるいは分かりたくない人だけが、彼を「イラ菅」と呼んだ。

読売新聞と産経新聞の誤報

ようやく菅直人の率直な声が聞けた。読売・産経の嘘つき(と、体言止めで書きたくなる)。 菅:・・・というのも、東電は事故が起きてから最初の24時間のテレビ会議の記録を、いまだに公表していないんです。かなりの混乱があり、とても、おもてには出せない…

あん

朝日新聞というのは自尊心が人一倍強い人が書いているらしく、読むと心がささくれることが多い。しかし、何年かに一度は、そのささくれを収めてくれるような文章が載る。先日読んだドリアン助川氏のものもそういう文章だった。最近起きたALS患者嘱託殺人事件…

虚栄嫌い

前稿で私は「朝日に戻ったのは、その文章が良かったからだ。読売を講読していたときは、その文章の肩の力が抜けたような平凡な調子に物足りなさを感じ、産経を講読していたときは、その頭の悪い人が書いたような文章(失礼!)に戸惑い、結局、朝日に舞い戻…

朝日新聞という病

門田隆将の『新聞という病』という本がよく売れているそうだが、私のこの文章はそれとは関係がない、というか、たぶん根っこのところではつながっているのだろうが、さしあたり、直接、関係はない。 朝日新聞は私がものごろころついた頃から、私のまわりにあ…

不幸な家族は幸福な家族を不幸にする

元農水次官が長男を殺してしまった事件の判決が先日あった。 私はこの事件が起きたとき、これは典型的な「いじめ事件」だと思った。 私のいう「いじめ事件」とは、家族の一員が誰かから受けたいじめによって家族が崩壊してゆく事件のことだ。私の家族の場合…

亀山郁夫の「100分 de 名著」

NHKで放送されている「100分 de 名著」はいつも録画していて、あとで見るようにしているのだが、見るのをサボっている。というのも、見ても、がっかりすることが多いので、しだいに録画するだけになったのである。そして、結局は見ないまま消去することのほ…

暴力の起源

思考において、文脈というのはもっとも重要なものだ。文脈を無視した思考は暴力にすぎない。国会中継やテレビ・新聞などを見ていると、マスコミ(左右を問わず)や国会議員(与野党を問わず)には、文脈を無視して自分に都合のよい方向に話をねじまげてゆく…

全体主義

きょうの朝日新聞に丸山真男の朝日新聞記者宛の私信が載せられていた。私信でしか本音を言わない丸山も丸山だが、今頃になってそれを載せる朝日もどうかしている。昔、わたしがモスクワにいた佐藤優にこの丸山と同じようなことを書いた年賀状を送ったら、そ…

馬鹿になる方法 

そろそろ身辺を整理しておかなくてはと思い、最近、雑誌類をつめたダンボール箱を覗きながら雑誌をめくっていると、こういう文章に出遭った。 「毎朝、毎晩、ああいふものを読んでゐたのでは精神衛生上、頗る有害である。予防医学的見地から言へば、新聞と称…

神聖不可侵なもの

最近、内田樹が「僕が天皇に敬意を寄せるわけ」という文章を書いていた。私はその文章に違和感を覚えたので、その理由について書いておきたい。なぜなら、その違和感は私が最近の政治状況にしばしば覚える違和感でもあるからだ。 日本人には最期に結論を言うと…

東京裁判

ベルジャーエフの西洋観 今もときどき読み返す文庫本のひとつに、学生のころ買った『現代世界における人間の運命』(ベルジャーエフ、野口啓祐訳、社会思想社、1957)というのがある。ヨーロッパに亡命していたロシア人のベルジャーエフが1934年に書いた…

雲の中を歩んではならない

自分のことほどよく分からないもので、今年の夏の体調不良の原因は、先に述べたように、親しい友人に死なれたためだということが最近になって分かった。しかし、どうもそれだけではないらしい、ということも少しずつ分かってきた。今年の夏、あんなに憂うつ…

第二の敗戦期

最近、フォルクスワーゲンのディーゼルエンジンをめぐる不正が問題になっている。そんな不正を行ったのは、フォルクスワーゲンがトヨタなどに負けまいとして、車の販売数を伸ばそうと焦りすぎたためだということだ。 規模も業種も違うが、これは昨今の日本の…

日本人のエゴイズム

『京都新聞』(9月18日、朝刊)に内田樹が安保法案について書いていた。日本がアメリカの属国であるとか、属国であるので、安倍首相は先のアメリカ議会で安保法案の成立を約束したのだ・・・というような内田の言葉はその通りと私も思う。私もこのブログで何…

安保法制

マルクスやフロイトを批判しながら『世界の多様性』という瞑目すべき論文を書いた歴史人口学者、エマニュエル・トッドが、『文藝春秋』(2015年10月号)に、「幻想の大国を恐れるな」という中国論を寄稿しています。 その結論だけを言いますと、いまの中国は…

もっともらしい記事

私は朝日新聞を、字が読めるようになってから、ということは、もう60年くらい読んでいる。しかし、朝日がつくづくイヤになり、他の新聞に乗り換えたことも何度かある。しかし、他の新聞では物足りなくなり、朝日に舞い戻るということを何度かくり返してき…

平和ボケと超自我

きのうの終戦記念日、朝日新聞に安倍首相の「戦後70年の安倍談話(全文)」が、日本政府の英訳付きで掲載された。そして、そのちょうど裏がわの紙に、岩波書店による「戦後七〇年 憲法九条を本当に実行する 柄谷行人」という全面広告が印刷されていた。そ…

敗戦しました

きのう、安倍首相が戦後七十年の首相談話を発表しました。その内容についてはいろんな人がいろんなことを言っていて、なるほど、と思うだけですが、どうして誰もその文章のことを言わないのだろうと不思議に思いました。 安倍さんの談話は他人事(ひとごと)…

モッブ

昔、中野孝次と柄谷行人がある文芸雑誌で対談し、大喧嘩になったことがあった。と言うより、この二人は文字通り水と油なので、大喧嘩になるのが分かっているのに、編集者が面白がって対談をさせたという風に私には思われた。 私はこの二人が好きではなかった…

文脈が読めない人

「匿名について」で述べたように、私は亀山郁夫のドストエフスキー論を知るまで、インターネット上の掲示板には関心がなかった。インターネットというのは外国の新聞や雑誌を読むための道具だと思っていた。しかし、亀山のドストエフスキー論を賞賛している…

くたばれ、フロイト、ラカン!

昨夜、テレビをつけると、偶然、『沖縄 うりずんの雨』を撮ったジャン・ユンカーマン監督が沖縄のことを話していた(BS-TBS「週刊報道LIFE」:2015/5/10/pm.21:00-22:00)。要するに、現在、沖縄といわゆる「本土」の関係が悪化しているのは、「本土」の人間…

中沢新一と亀山郁夫(3)

これまで見てきたように、中沢新一や亀山郁夫にモラルがないことは明らかだろう。彼らは『地下室の手記』の主人公と同様、自分の欲望を満たすためなら、どんなことでもするだろう。 なぜ彼らはそのような人間なのか。それは彼らに宗教がないからだ。ここで私…

倉本聰

先月、BS-TBSの「みんな子どもだった」で、いつもは進行役の倉本聰自身がゲストになって喋った。その四回目、倉本がNHKの大河ドラマ「勝海舟」の脚本を放棄するに至る経緯を語っているのを聞いて、少し驚いた。 倉本が言うには、NHKは組合の力が強く、スタッ…

古館伊知郎とプロレス的構造

子供の頃はプロレスが好きで、とくに、力道山や東富士が好きだった。家にテレビがないので、近所の金持の家に上がりこんで見せてもらった。その状態がずっと続き、家にテレビが来てからもプロレスは見続けた。しかし、あるとき、誰かから「プロレスというの…