想像力

天分

高校生の頃、アドリブ教則本みたいなものを何冊か買いこんで一年ほどトランペットでアドリブの練習をしたけど、ダメだった。クリフォード・ブラウンの偉大さがよく分かった。理屈でアドリブはできない。文章も同じだ。文章読本みたいなものをいくら読んでも…

高須久子

NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」が始まった。前回の大河ドラマ「軍師官兵衛」は、大河ドラマとしては久しぶりに男性の書いた脚本で安心して見ることができた。と言うと女性蔑視のように思われるかもしれないが、そうではなく、「軍師官兵衛」以前は、大河ドラマの…

○○を売るのが商売

インターネット上(http://hon.bunshun.jp/articles/-/2488)に「公開対談 綿矢りさ×道尾秀介 小説家は幸福な職業か?」(第150回記念芥川賞&直木賞FESTIVAL:別册文藝春秋 2014年5月号より)という対談が掲載されていた。二人とも読んだことのない若い小説…

『沖縄ノート』2

次に引用するのは、左翼のあいだで悪名の高い藤岡信勝氏の発言だが、私はほとんど違和感を覚えなかった。ここから浮かび上がってくるのは大江健三郎氏の小説家としての想像力がその『沖縄ノート』を書かせたという事実だけだ。大江氏は一種の小説として『沖…

『ドストエフスキー 父殺しの文学』批判(10)

外国人にイソップ言語は分からない すでに述べたように(「亀山郁夫とイソップ言語」)、スターリン体制下の「二枚舌(ないしは面従腹背)(двурушничество)」(亀山郁夫、『磔のロシア──スターリンと芸術家たち』、p.59)と、帝政ロシアで使われた「イソッ…