2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

コヘレト

きょうはカトリック尼崎教会で、小川正巳先生のお通夜だった。享年97歳。先生は私の親父と同じ年に生まれた。私の親父は70過ぎに亡くなったが。 小川先生に入れといわれて私が入った文芸同人誌の『たうろす』の同人は、遅れて中尾が来たのみ。中尾によれ…

「サウルの息子」

きのう四条の「京都シネマ」で、ネメシュ・ラースローの「サウルの息子」というハンガリーの映画を見た。 平凡な感想かもしれないが、私たちが生命(いのち)に出会うためには、どれほど生命ではないものをおびただしく経験しなければならないのかということ…

グルジェフ

ヘンリー・ミラーの『わが読書』は、二十歳前後の私にとって聖書のような本だった。とくに、ドストエフスキーやD・H・ロレンスについてミラーから教わったことは多い。多すぎる。「ピエール・レダンへの手紙」など、今読み返しても、ほんとうに素晴らしいと…

試合筋

きのう寝ようと布団に入ってNHKの「リオ五輪の星 素顔に迫る! グッと!スポーツ」を見ていたら、体操の加藤凌平選手が出てきた。子供のときから人前であがったことがない、ということだった。試合が近づいてきても、緊張で固くなったりしない。興奮してくる…

天皇の政治利用

内田樹による天皇の政治利用 先の「神聖不可侵なもの」という文章で、私は次のように書いた。 「内田樹は天皇という日本人の多くにとって「神聖不可侵」な存在を、自分の政治的な目的のために利用した。このため、私は違和感を覚えたのだ。」 しかし、こう書…

神聖不可侵なもの

最近、内田樹が「僕が天皇に敬意を寄せるわけ」という文章を書いていた。私はその文章に違和感を覚えたので、その理由について書いておきたい。なぜなら、その違和感は私が最近の政治状況にしばしば覚える違和感でもあるからだ。 日本人には最期に結論を言うと…

雪明かり

今も腹とその裏の背中にやいとの跡がある。やいととは私の地方の言葉でお灸のことだ。小さいころ、身体が弱くて、親戚の家に行くと、その家の主である伯父に「どうしてそんなに痩せているのだ」と叱られたことがある。私が非難されたのではなく、私をそこに…

ダウト

フィリップ・シーモア・ホフマンの出ていた「ダウト〜あるカトリック学校で」。同性愛者の神父役のホフマンはその怪しげな雰囲気がぴったりだった。厳格な校長のメリル・ストリープの演技もこれ以上はないというほどすばらしかった。その他、教師のエイミー…