ソンタク

人は自分で自分のふるまいを見ることはできない。したがって、日本人は永遠に「ソンタク」とは何かということを定義することはできない。「ソンタク」とはまさに日本的構造であり、それは日本人の行動全体を規定している。「ソンタク」という言葉を言い換えるとすれば、それは土居健郎のいう「甘えの構造」、森有正のいう「二項関係」、山本七平のいう「日本教」になるだろう。さらにそれを政治的な言葉で言い換えると「天皇制」という言葉になるだろう。この天皇制は日本共産党から過激派セクト、さらに暴力団自民党など、思想信条とは無関係に日本的集団そのものを特徴づけている。だから、いま国会で行われている「ソンタクはあったのかなかったか」という議論は喜劇にすぎないのである。