『男のポケット』

この六編からなる「何を読むか」シリーズで書いた文章を読み返してみて、自分の書いたものでありながら、こんなものを書いていたのか、と、驚いた。とくに、この『男のポケット』を扱った文章はよかった。と、自分で言うのもなんだが、よかった。書評はこういうものでなければならない、と、言うのは自画自賛になって具合が悪いが、これが書評なのである。