2021-03-18から1日間の記事一覧

ドストエフスキーが分からなかった頃

わたしはドストエフスキーを分かりたいと思い、神戸の外国語大学に入ったのだが、いくらたってもドストエフスキーが分からなかった。しかし、三十過ぎに離人症になったあと、分かるようになった。この「十字路で」という文章はその三十過ぎの頃を書いた文章…

『男のポケット』

この六編からなる「何を読むか」シリーズで書いた文章を読み返してみて、自分の書いたものでありながら、こんなものを書いていたのか、と、驚いた。とくに、この『男のポケット』を扱った文章はよかった。と、自分で言うのもなんだが、よかった。書評はこう…

赤木俊夫の死

2年前、近畿財務局職員の赤木俊夫氏(54)が自ら命を絶った。彼が残したファイルを財務省は公開しようとしない。 赤木氏は財務省、いや、日本の至るところにいる「アイヒマン」の一人になることを拒否し、自死を選んだのである。 世界中に「アイヒマン」…