2010-01-01から1年間の記事一覧

金啓子様に

金啓子様に(4月22日付けのコメントに答えて): コメント欄では読みにくいかもしれませんので、ここで答えます。 失礼しました。四天王寺の婦人会館の道路を隔てたところにあるのはお寺でした。「あんさん、別れなはれ」とかで有名な尼さんがいた寺でし…

「お勉強」

またもや長い枕になる。本題は亀山郁夫批判と日本ロシア文学会への批判だ。 私は大学三年のとき、神戸の『たうろす』という同人誌に入った。入っていなければ、私は死んでいただろう。その理由について述べることはできないが、いずれにせよ、『たうろす』と…

緊急順不同

もうすぐ定年なので研究室にある本を整理しているということは前に書いたが、昨日も授業のあいまに整理していると、中野重治の本がかなり出てきた。さあ、これをどうするか、と、首をひねりながら、未練がましく撫でさすっていると、三十年前の記憶がよみが…

オブリビオン

外大のロシア語学科の学生で私と同じような経験をしている人は多いだろうが、学生の頃、私はソ連から出版された本(思想、経済、小説、詩のテキストや解説など)を読むのが苦痛だった。少し読むと、必ず、「マルクス曰く・・・」、「レーニン曰く・・・」と…

ないものねだり 

私は「徒党」を憎む。なぜなら、徒党を組むとは、丸山真男(『日本の思想』、岩波新書)のいう「タコツボ」に入り、山本七平のいう「集団倫理と状況倫理」(『「空気」の研究』、文春文庫、1983、pp.107-114)に与することであるからだ。そこには自由も責任…

「帰還証言──ラーゲリから帰ったオールドボーイたち」

映画「帰還証言──ラーゲリから帰ったオールドボーイたち」(ひと・まち交流館)を見た。「シベリア抑留者」ではなく「ソ連軍捕虜」というべきだ。彼らはソ連(スターリン)と日本帝国(天皇)によって往復ビンタを受けた。ロシア政府と日本政府はソ連軍捕虜…

南京映画祭

昨日、南京映画祭(エル・大阪)に行く。日曜日にも拘わらず大学で会議があったので、映画「南京─引き裂かれた記憶」の最初の30分を見ることができなかった。そのあと、「南京─引き裂かれた記憶」の取材・企画・制作の松岡環と武田倫和と、映画「靖国 YASU…

音楽脳、文学脳、会議脳?

このブログは亀山郁夫のドストエフスキー論を批判するために始めたのだが、2月の初旬以来、まったく更新できていない。こんなことになっているのは、大学では2月3月が様々な校務のため忙しいということもあるが、今年私が教育運営委員長をしているからだ…

花束

昨日は『カラマーゾフの兄弟』の授業の最後。女性の受講生の方々から花束を頂いた。百合とかガーベラとか。うれしい。これで何度目だろう。一年の授業の最後に花束を受講生から頂くのは。昔、明石海峡が見える大学でロシア語を教えていた頃(授業をしながら…

撫順の奇蹟

朝日の昨日の夕刊(撫順の奇蹟.pdf )を見て、カミさんと大阪市港区の弁天町市民学習センターに行く。「撫順の奇蹟は「今」ここに」(13:30-16:30)。ほとんどが「前期高齢者」と「後期高齢者」で、若い人はちらほらいるだけだった。参加者は50ー60名ぐ…

「カティンの森」

ワイダの「カティンの森」を見た(シネ・リーブル梅田)。何度も見たいと思った。ワイダの最高傑作だろう。これは言葉の真の意味で「女性映画」だ。出てくるポーランド女性がすべて美しく清潔で強靱だ。女性だけが持つ強靱さが鮮明に描かれていると思った。…

菅原洋一リサイタル

カミさんの好きな菅原洋一のリサイタル(堺市民会館)。大ホールが「前期高齢者」と「後期高齢者」で満席。菅原洋一自身は「後期高齢者」とのこと。しかし、声はまったく衰えておらず、逆に昔より声に深みが増したほどで、休憩をはさんで二時間を歌いきった…

軍隊に入ると・・・

裸の大将こと、山下清は「ぼくの絵は、兵隊さんの位でいうと、ど、どれくらいかな」という風に、絵でも何でも兵隊の位にたとえて言おうとしたらしいが、私もそう変わらない。と、言っても、絵ではなく、初めて会う人がいると、「この人は軍隊に入ると、どん…

「引きこもり」私感

きなりさんという方からコメントを頂いたけれど、きなりさんによって指摘された問題が私の力を超えていて、正確に応答することができなかった。自分以外の誰かを助けることができればいいのだが、それは私たちには不可能だ。これは人間にとって、自分のエゴ…