2009-01-01から1年間の記事一覧

散歩

夕焼け。 日本の風景はどうして花札に似てしまうのかな。

二代目はクリスチャン

マザー・テレサの「たとえ母親があなたを見捨てても、けっして見捨てない方がおられます」という言葉から思い浮かべるのは、「二代目はクリスチャン」という映画だ。B級映画だという人もいるが、B級映画という言葉の意味が分からない。良い映画と下らない映…

人生は空漠たるものか

一昨日は後期最初の『カラマーゾフの兄弟』の講義。インフルエンザ騒ぎで前期最終講義が休講になったため、後期は「大審問官」の途中から始める。講義の最初に、マザー・テレサの生涯を紹介した「あの人に会いたい」というNHKテレビの放送録画を見てもらう。…

平地人

今では記憶して居る者が、私の外(ほか)には一人もあるまい。三十年あまり前、世間のひどく不景気であった年に、西美濃(にしみの:岐阜県南部)の山の中で炭を焼く五十ばかりの男が、子供を二人まで鉞(まさかり)で斫(き)り殺したことがあった。 女房は…

小林秀雄とお光さま

小林:「さっき、僕のおっ母さんは天理教だと言ったろ。それがね、晩年、病気になってから、お光さま(世界救世教のこと)に転向したんだ。それだから、僕もお光さまになった。」(中略) 小林:「お袋は医者も薬も軽んじていたが、晩年はもうお光さまのおさ…

誤診

きのうは京都国際会館で児童精神医学会総会。門会長が「三年前から製薬会社の後援を受けない学会にした」という旨の挨拶をする。言うは易く行うは難し。門さんの言葉に感動。製薬会社の後援を受けながら、精神科医の多剤投与を批判することはできない。 その…

ヴァイオリニストは女にかぎる

ジャニーヌ・ヤンセンのヴァイオリンを聴いて、小林秀雄の「ヴァイオリニストは女にかぎる」という言葉を思い出した。なぜ小林がそう言うのか理由がよく分からないけど、小林は正しいと思う。男はヤンセンみたいに弾けない。狂ったように髪を振り乱し、よだ…

美は世界を救う

アンジェラ・ヒューイットの平均律(旧い録音)が届いたので聴く。骨細の人が出す音だけれど、すごい集中力。私が待ち望んでいた普通の演奏だった。バッハは奇をてらわず、普通に弾くのがいちばん難しい。 集中力といえば、きのうNHK教育テレビで見たジャニ…

にも拘わらず

にも拘わらず、私は小林秀雄を尊敬している。これは小林が翼賛的な体質を持っていることとは無関係だ。大岡昇平は日米開戦時の小林の翼賛的な発言などに幻滅し、自分の先生である小林から離れていった。そして、小林に代表されるような日本のインテリに絶望…

アンジェラ・ヒューイット

終日、勉強。あいまに本の整理、フレスコバルディ、散歩。小林秀雄のおかげで少し発見があった。 朝日新聞で大江健三郎がアンジェラ・ヒューイットによる平均律クラヴィーア曲集の演奏をほめていたので、注文。ついでに彼女の演奏によるゴールドベルク変奏曲…

天皇と小林秀雄

昨夜、寝つかれないまま、小林秀雄講演第一巻「文学の雑感」(新潮社)というCDを聴いていたら、その昭和45年の講演のあと、小林に「天皇とどう付き合えばいいのか」と問う男性がいた。その質問に対して小林は、「そんな抽象的な質問をしてはだめだ。天皇…

終日

昨日も終日、勉強。 今朝も朝6時から1時間、ザボロフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を聴きながら山道を散歩。ザボロフスキーは無神論者なのか。淡々と読むべきところを皮肉な調子で読む。ドストエフスキーはそんな風に書いてはいない。しかし、彼の朗読は…

シモーヌ・ヴェイユ

シモーヌ・ヴェイユを読み続ける。 「それでも彼女は、人々の注意が、自分の思想よりもむしろ、自分という人間に向けられるのを残念に思わずにおれなかったようである。・・・自分の知性をほめ上げたりするのは、「彼女は真実を語っているのか、そうでないの…

日記を始める

昨夜、目が覚め、ユーリー・ザボロフスキーの朗読を聴いた。『カラマーゾフの兄弟』の一節。よく聞き取れない。