ヴァイオリニストは女にかぎる

ジャニーヌ・ヤンセンのヴァイオリンを聴いて、小林秀雄の「ヴァイオリニストは女にかぎる」という言葉を思い出した。なぜ小林がそう言うのか理由がよく分からないけど、小林は正しいと思う。男はヤンセンみたいに弾けない。狂ったように髪を振り乱し、よだれを垂らしながら、白目をむいてヴァイオリンを弾いている男のヴァイオリニストなど見たくもない。まあ、巫女さんみたいなもんだな。巫女さんになれるのは女だけだ。美しい前橋汀子もそんな風に弾いていた。小林はジョコンダ・デ・ヴィートというイタリアの女ヴァイオリニストが好きだったらしい。