インテリ

「物語の暴力」について。

不良僧の穴山に、泰淳とおぼしきインテリの柳は、「お前さんなんか『赤』にでもならなきゃ、世の中のことはサッパリわからんのだから、なりたけりゃ、おなりなさい」と言われる(武田泰淳、『快楽』)。世の中を知りたいインテリがもっとも簡便に世の中を知る方法は、マルクス主義イデオロギーを信奉することなのである。そのイデオロギーは、人々の嫉妬や羨望という無意識に支えられているので、常に世の中の一定程度の人々の支持を得る。彼らはそのイデオロギーによって社会から孤立し、タコツボを形成する。また、世の中を知らないインテリは、自分の孤独を慰撫してくれるオウム真理教のような似非宗教に熱をあげる。そしてますます社会から孤立してゆく。