あん

朝日新聞というのは自尊心が人一倍強い人が書いているらしく、読むと心がささくれることが多い。しかし、何年かに一度は、そのささくれを収めてくれるような文章が載る。先日読んだドリアン助川氏のものもそういう文章だった。最近起きたALS患者嘱託殺人事件について書かれた文章なのだが、わたしが普段思っていることが書いてあるので、こういう人もいるのだな、と、最近感じることの多い孤独感を忘れることができた。偶然だが、わたしはドリアン助川氏の書いた「あん」という小説を最近読んでいる。まだ半分しか読んでいないのは、読み終わるのが惜しいからだ。この小説を読もうと思ったのは、テレビで映画の「あん」を見たからだ。こんな映画はもう二度と出て来ないだろうと思うような映画だった。この映画を見たときも、わたしは深い孤独感から救われる自分を感じた。