DVにさらされる子どもたち

昨年の今頃、NHK(総合・大阪)で、「DVにさらされる子どもたち〜見過ごされてきた面前“DV”の被害」という番組を見て、フェイスブックに次のような文を書いた。今も同じ気持なので再録します。

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 昨夜見た番組。寝ようと思ってテレビをつけて見始めたら、最後まで見てしまった。
 父親に母親が暴力をふるわれている場面を見て育った子供は、思春期になると、その父親と同じことをするようになる。これは当然で、子供、とくに息子は父親を模倣して育つ。しかし、それでは周囲、とくに母親がたまらない。DV亭主と離婚しても、息子に同じことをされるようになる。
 そこで、神戸大学で講師を務めるDV加害者プログラム大阪NOVOの伊田広行さんは、その息子さんに「相手に勝とうとしないこと」という言葉をいつも思い出すように、とアドバイスする。息子さんは、家に帰ってきて、お母さんと弟にあやまり、これから「相手に勝とうとしないこと」という言葉を心に刻んで生きてゆきます、と約束する。すると、お母さんが、「それはいいけど、相手が間違っている場合はどうなの?」という。息子さんはそれには無言で答える。しかし、なんだか嬉しそうだった。
 高校生ぐらいでは自尊心の病に気づくのはとてもむつかしい。きっといろいろ失敗もするだろう。しかし、「相手に勝とうとしないこと」ということが心の中にあるかぎり、暴力(言葉の暴力も含めて)に訴えるということは少なくなると思う。