2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

椎名麟三

あれはいつのことだったのだろうか。まだ建て替えられる前の神戸の昔の大倉山図書館(正確には中央図書館)に本を読みに行ったとき(早朝だった)、その旧大倉山図書館の入り口の階段のところに、ちょうど戦後すぐの満員列車(写真でしか見たことがないが)…

イデエに乗っ取られた人間、あるいは「死産児」

これまで述べたことを大江や柄谷に対する言われなき誹謗中傷だと思う人がいるかもしれないので、ひとこと。これは、わたしが(命があれば)これから書くドストエフスキー論のテーマでもある。 バフチンがそのドストエフスキー論で述べようとしていることを一…

柄谷行人と大江健三郎

大江健三郎ついでにひとこと。 以前、『大江健三郎 柄谷行人 全対話 世界と日本と日本人』(講談社、2018)という対談集を読んだ。これはお互いをほめ合いながら、同時に、自分自慢をする駄本だ。しかし、これは二人の人生の軌跡がよく分かる良書でもある(…