ジャニー喜多川と黒柳徹子

 昨夜、テレビをつけたら、偶然、市川崑が監督した映画『犬神家の一族』をやっていた。面白いので、ずるずる最後まで見てしまった。わたしはホラー映画や怪談を扱った映画が大好きなのである。
 その『犬神家の一族』をずるずる最後まで見てしまったのは、わたしの好きな女優の島田陽子や『二人の世界』を歌っていたあおい輝彦が出ていたからでもある。
 あおい輝彦と言えば、ジャニー喜多川の犯罪が英国のBBCによって報道される前、ジャニー喜多川が亡くなった頃(だったと思う)、『徹子の部屋』に出ているのを偶然見た。そのとき、あおいが歌ったので、わたしは陶然となったのだが、それはそれとして、不愉快だったのは、黒柳徹子が亡くなったジャニー喜多川を誉めたたえたことである。
 わたしの年代くらいの高齢者の多くは、ジャニー喜多川の犯罪を知っているはずだ。テレビが始まった頃からテレビ界にいる黒柳がそのことを知らないはずがない。ここにもタコツボがあると思い知らされ、わたしは無邪気を装う黒柳を軽蔑するようになった。
 少年の頃、ジャニー喜多川から性被害を受けたあおいは黒柳のジャニー喜多川礼賛を複雑な表情を浮かべて聞いていた(と、わたしは思ったが)、黒柳はそれには気づかなかったようだ。