倉本聰

 先月、BS-TBSの「みんな子どもだった」で、いつもは進行役の倉本聰自身がゲストになって喋った。その四回目、倉本がNHK大河ドラマ勝海舟」の脚本を放棄するに至る経緯を語っているのを聞いて、少し驚いた。
 倉本が言うには、NHKは組合の力が強く、スタッフに自分の書く脚本を直されたり、つるし上げを食ったりし、耐えきれず北海道に逃げ出したということだった。倉本は「民青が(自分を攻撃した)・・・」というようなことを言っていたので、同じような目に合ったことのある私はどこも同じだなと思った。
 これは日本人だけではないが、とくに日本人には、集団を組むと、その集団以外の者を敵視する傾向が強い。丸山真男はそのような日本的集団を「たこつぼ」と呼んだ。これはあらゆる政治団体、宗教団体、学閥、閨閥などに当てはまる。時代が変わっても、これは変わらない。今もNHKでは民青などの左翼が強いのだろうか。もしそうだとすれば、憂鬱なことだ。