国葬

 このたびの統一教会騒ぎを見ていて思い出したのは、小澤征爾のことだった。昔読んだことなので記憶はあいまいだが、たしか、次のようなことだったと思う。小澤はヨーロッパで音楽修行をしていたとき、ある朝鮮半島出身の音楽家と友人になった。親切心からいろいろ世話をしていたのだが、あるとき、その音楽家に手ひどく裏切られ、非常に驚いた、と小澤は激しい怒りとともに回想していた。小澤はその朝鮮半島出身者の音楽家が日本人を深く恨んでいたことに気づかなかったのだ。
 安倍元首相が殺され、初めて、日本人の多くは統一教会の教祖夫妻が朝鮮半島を植民地にした日本人を深く恨んでいたことを知った。その教祖たちはその奇妙な教えによって日本人から財産を巻き上げ、日本人女性をあざむき、朝鮮半島出身者の男性と合同結婚式によって結婚させてきたのだ。そのことを多くの日本人は安倍元首相が殺されて初めて知った。小澤征爾と同じだ。わたしたちは朝鮮半島出身者に深く恨まれていたのだ。
 ところが、日本人は私利私欲のためにその統一教会を利用し、同時に利用されてきた、売国奴とも言うべき安倍元首相を国葬で送ろうとしている。言葉もない。