江川卓の妄説

 午前中は家事と勉強。午後、「ギタリストたちの饗宴」(荘村清志・鈴木大介大萩康司:秋篠音楽堂)に行く。前売券が手に入らなかったので、当日券売り出しの一時間前に行って並ぶ。すでに女性が一名並んでいた。その時間を利用して、昔読んだ中村雄二郎の「悪の哲学ノート」を読み返す。中村が病を得る直前に書いたドストエフスキー論だが、変な箇所が多い。江川卓の妄説をそのまま受け入れて間違っている。江川卓の罪は重い。
 当日券用の椅子が固かったが、素晴らしい合奏と独奏だった。プホールの「タンゴンド」(ギター三重奏)がベストだった。荘村さんのスカルラッティソナタK.11もさわやかだった。こういうギターの名手三人のコンサートというのは良いアイデアだ。というのも、ギターは一人の演奏をずうっと聴いていると、音色に幅がないので、いくら名手でもうんざりするからだ。シュタイドルや福田進一のような悪魔と親戚みたいな名人でもそうなる。